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今回は、ハピネス企業が突然ブラック企業に転落してしまう事例を今日はご紹介したいと思います。

●「ハピネスな会社」を体現するベンチャー企業
ここで紹介するのは、某ベンチャー企業です。
2005年当時、社員80名だったこの企業は、上場も目指せるほど勢い良く業績が伸びていました。
社員の取材では、誰からも同じような答えが返ってきていました。

「当社の社員は、みんな幸せです。 会社の悪口を言う人を聞いたことがありません!」

何て素晴らしい会社なのでしょうか!!
この会社の特徴は、何といってもカリスマ性のある創業社長にありました。
社長は毎日のように未来の夢を語り、その言葉に社員全員が魅了されていました。
社長自ら営業に動き、社内のどの営業マンよりも大型の契約を取り、大きな夢が実現することを証明していました。
「日本から世界へ飛び出し、この分野で世界一の会社となる」という社長の夢に共感し、社員全員がその夢に向かってガムシャラに働いていたのです。

社員の自主性を重んじ、提案する企画を歓迎して予算も与え、利益が出れば社員全員にフェアに分配していました。
社員のプライベートも充実させるために「日本一給料が高く、日本一休みの取れる会社」を目指し、
それを実現しつつありました。
年に一回の社員旅行にも全社員が参加し、社長と共に時間を過ごすことを楽しんでいました。
社長が社員に愛され、社長も社員を愛していたのです。

●「ハピネスな会社」がブラック化する
しかし、わずか数年で、「ハピネスな会社」は「ブラックな会社」に転落します。
社長が難病にかかり病気療養を理由に退任し、株主も変わりました。
株主から送られた辣腕経営コンサルタントの新社長は、就任するなり全社員を集め、こう宣言しました。

「ビジネスは数字だ!数字こそ結果だ! 前社長はいつも夢のようなことばかり言っていたようだが、 私は数字の裏付けのないことは信じない。 新しい経営手法を導入し、改革を行う!」

新社長は業務管理やプロジェクト管理、営業管理に最新ITを使ったシステムを導入し、そのシステムによって個人の評価がポイント計算されるようにしました。(嫌な予感…)

新社長はこれを「見える化革命」と呼んでいたが、社員からは数字による管理が始まったとしか思えませんでした。
新社長は夢を語ることもなく、「結果を出すのがプロだ。残業してでも達成しろ!!」とプレッシャーを与え続けました。

そのうち、「まったく別の会社になってしまった」と社員が嘆くようになり、優秀な社員から会社を辞め始めました。
残った人は、「会社に魂を売った」と揶揄されるほど。
数字に追われて鬱病になる社員も出てくるようになりました。
中には過労で亡くなった人もいたそうです。
もはや、どこからどう見ても「ブラックな会社」になってしまったのです。

今では全盛期の3分の1まで売り上げが落ち、社長もクビになり、会社はますます迷走しています。

●「ハピネスな会社」と「ブラック企業」の違い
この天国と地獄を経験した会社の事例を見ると、「ハピネスな会社」には次の3つの要件が最低限必要だと考えられます。

(1)社長が魅力あるビジョンを語り続ける
社員は、今の社長のもとで働く理由を探しています。
なので企業トップの社長が示すビジョン・夢・理念が魅力的であればあるほど、働き甲斐のある会社風土が醸成されていくのです。

(2)社長自らビジョンを実現させてみせる
ソフトバンクの孫正義社長は昔から「大ぼら吹き」と言われているそうです。
しかし、孫社長がその他大勢の「大ぼら吹き」と違うのは、それを実現してみせたところです。
社長の語るビジョンが現実になることが分かれば、社員はその会社で働くことが夢の実現に繋がると必然的に感じるようになります。

(3)社員の自主性を重んじ、自由度を広げる
人は管理されればされるほど、能力を発揮出来なくなります。
以前、タイムマネジメントの手法として、社員の生産性を最大限に上げるために、分単位で行動を管理し、
より生産性が上がる仕事に時間を配分させる仕組みが中小企業から大企業まで導入されました。弊社で言うK型でしょうか?
しかし、真剣に導入した企業ほど業績が悪化していったそうです。

人間はロボットではなく、調子の良い時もあれば悪い時もあります。
逆に厳格に管理されることでストレスを発生させ、生産性も低下し、行きすぎれば病気にもなってしまうのです。

静岡県掛川市にリツアンという技術系人材派遣会社の野中久彰社長は、派遣社員がもっと豊かに幸せになれる理想の派遣会社をつくるべく、派遣業界のブラックボックスといわれた手数料をオープンにしてしまうことで、創業からわずか8年で派遣した社員数が200人を超え、売り上げも10億円の大台を突破しました。
派遣社員自らあちこちで「とてもいい会社だよ」と自然に宣伝されるので、良い人材が集まって来るのだそうです。

このように、会社をハピネスにするかブラックにするかは、1人の社長次第でこんなにも変わってしまうのだと学ばされました。
私達もハピネスな地球を創っていく仲間の一員として、頑張っていかないといけないですね!

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